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最高の997前期型と出逢う
いくつかのポルシェセンターで探してもらっていて、忘れた頃に出てきた。
2008年式(当時6年落ち)、4万キロ。
997前期、メテオグレー。
オプションは、スポーツクロノ、PASM、クルージングコントロール、シートヒーター、オートエアコン、レザーパッケージなど、満載。
初めて見た997は、ボクスターよりもひと回り大きくカッコよかった。
911を乗って一番に感じたのは、その大きさ。2000cc以下のライトなスポーツカーではなく、GTレースに出る車両のベースとなっているだけある。
一回り大きくなって、扱いが重く感じた。絶対ボクスターのほうが小回りが効いた気がする。
ただガッシリしている中にも、ボンネットがアルミだったりと繊細な設計がわかった。
997は、911シリーズの水冷化された996の後継機ということで、インタミの問題とかはちょっとあったが、だいぶこなれてきている機体であると感じた。
これが最初に乗って感じたところか。
911のRRというデザイン
駐車場に停めて用事を済まし、自分の車に戻るとき、バックから見るスタイルが、憧れの911独特デザインとなり、いつも感動する。
ポルシェはお尻、なんてよく言うけど本当にこの微妙なラインは独特で、且つ美しく、見ていて飽きない。
空冷式だと顕著だが、カエルの背中のラインを彷彿とさせる。
背骨に沿って、背中からお尻への滑り台のような斜めのラインに、後ろ足の太もものように、左右にせり出したリアフェンダー。
このバランスの取れた造形はとてつもなく魅力がある。
同じポルシェでも、ボクスターやケイマンとは全然違うフォルムで、50年経っても昔からの911ファンを魅了している。
リアに位置したエンジンは、後ろから押されるような感覚があるとのことだが、素人にはわかりにくい。一般的なFFの車とは違うのはわかるが、それこそミッドシップのフェラーリとかと比べる機会がないから。
それでも、急ブレーキでフロントがあまり沈み込まないと感じたことはある。
これも足回りのせいか、リアエンジンのせいかは、よくわからない。
スゴイなと感じたのは、ティプトロニックなのに、ほとんどオートマのロスがなく、アクセルを踏んだだけ、力が伝わっているように感じたこと。
高速に乗るときに、すぐに軌道に乗れるという点では、後ろからの超絶なパワーを実感出来る。
911はボクスターケイマンよりも優れているところは沢山有るが、それらより高いお金を出してでも得たいのは、911というデザインの車だと感じた。
911を維持することについて
一方で、実は結構燃費が良い。
高速だけなら11km/lという数値が出たことある。街乗りなら8km/lくらい。
もちろんアクセルを必要以上に踏まないのが前提だけど。
故障もほとんどなかった。不調になったのは運転席側のウインドウが一気に閉まらなくなり、途中で止まってしまうので2回に分けて操作した。
これもディーラーに持っていったら、すぐに調整してくれて治った。
メンテにも手間はかからなかった。車検と1年定期でエンジンオイル交換とかくらいか。
エンジンオイルの交換は、オイルの量が多いらしく、三万円くらいかかる。
認定保証に入っていたが、あまりに壊れないのでやめたくらい故障や心配はない。
また、ボクスターに比べて、リアトランクが無くなってしまったが、後部座席の存在は大きい。ちょっと物を後ろに置いておくにはとても助かる。
オープンカーで無くなってしまったところは有るが、燃費もよく、故障も少ない、遠出の旅行に行くのには最高の車である。
最高峰の911
今までこんなにゆったり乗れて、速い車は無かった。速い車はやはり乗り心地に難があったし、ゆったり出来る車はもっそりしていた。
街乗りとサーキット、どちらも満たせる車として最高峰に君臨する意味が少しだけ触れることが出来て良かった。
たぶん、GT3とかだともっと感じられるのかなと思うが、流石に手が届かない(笑)。
911に乗ったら、もう他のスポーティーな車には、乗れないと思った。